重陽節空には赤い尾をした白馬に乗っている二人の姿。どうやら、衝山に向かっているようです。 「もしかして、人間界の行事にこだわるのは、私が仙人になりきれていない証拠なのかしら？」 「…君は、仙人になってから日も浅いから、そこまで気にすることもないのではないかな。私だとて、仙人になりきれているかと問われればそうだと言い切る自信はない。それに、無理やり線引きをする必要はないだろう、人間だ、仙人だという前に、君は君という個人なのだから。君らしくあればそれでいいと思うが。」 玄星は見晴らしの良い場所を見つけると、そこに降り立った。 「重陽節の元になったお話に出てくる、仙人っていったい誰だったんでしょうね。…このお話、きっと疫病が治まるまでは病人に接触しないように高い山に登っていろってことだったと思うのですけど、菊花酒を飲むっていうのはどこから出てきたのかしら？」 二人が手にしている杯の中には菊の花びらが揺れている。公孫準はその花びらごと飲み干すと、こういった。 「なんにしても風流だね。実に秋らしい。」 「…そうですね。」 玄星は静かに草を食んでいる。聞こえてくるのは風が草を揺らす音と、虫の音ばかり。 そこには、ゆったりと静かな時が流れていました。 中国の行事シリーズ第2弾です。今回はショートショートですw 前回しみじみとお酒を飲むことができなかった秋淋のリベンジってことで、よろしく!! さて、次回予告!!です。次回は、春節といって日本の年越からお正月にかけてみたいな感じの行事を舞台に考えてます。朗蒿麒クンバージョンのと、橙紅慶クンバージョンの2本立てです。乞うご期待?!（期待はずれになっちゃったらごめんなさい） 「銀泉」紅秋淋さんのＰＬさんから、またまたプラリアをいただきました〜。 今度はふたりきりのゆるやかで穏やかな雰囲気。ステキですよね！ ('08 10/26 UP) インデックスへ 展示室へ |