天体魔法の力
空に輝く天体から降り注ぐ魔力を利用し、不思議な効果を発揮させる方法を
「天体魔法」と呼んでいます。
人は〈フェロウ〉を持つものにしか使えない力で、その力を行使できるものは魔法使いと呼ばれます。
正確には正魔法使いと準魔法使いがおり、その能力には差がありますが、一般にはどちらも単に「魔法使い」と呼ばれることが多いようです。
○正魔法使い
プリズム・オリジン魔法学園において卒業試験に合格したもののみに与えられる称号。大陸全土、どの場所であっても魔法を行使することが許される。
○準魔法使い
〈フェロウ〉を得たものの、学園の卒業試験をクリアできず、正魔法使いの称号に届かなかったものたち。正魔法使いの補佐としてのみ魔法を行使することが出来る。
天体魔法には３種類が存在します。
◇メルテの力を受ける太陽の魔法
◇ケイナの力で使う月の魔法
◇トゥリフの力による星の魔法
以上の３種です。
それぞれ出来ることが異なります。
また、全ての天体の力を使いこなすことは竜人以外には非常に難しく、たいていの魔法使いには得意とする天体魔法が存在します。
「メルテ」 太陽の灯 〜 活性 〜
太陽の力は、生きるものの持つ力を引き出し活力を与えます。
傷の治癒、身体能力の増幅、生長の促進など、生物に働きかける力です。
自らにかけるよりも他者にかけるほうが難しく、より一層の注意力が必要となります。
また、病の治療には専門家でも判断に慎重さが求められます。
なぜなら、安易に魔法をかけると病の原因をも活性化させてしまう可能性があるからです。
患者のどの力を引き出すか、という診断には、医師との連携が重要となるでしょう。
怪我の治療は、本人の治癒力を促進するもののため、病よりは比較的容易です。
しかし、強すぎる治癒力は体を蝕み、老化へと繋がります。
命を扱う魔法には、慎重にも慎重を重ねるべきであると言えるでしょう。
また、この魔法では、失われたものは復元できません。
四肢や臓器、血液などが失われている場合は、他の手段を講じる必要があります。
| 治癒 | 人体や動物に回復力を与える レベル１では打ち身の痛みが取れる程度 レベル５で切り傷の血を止められる（深手の場合、傷を塞ぐのは無理） |
| 生長 | 植物の生長を促す レベル１ではしおれた葉を元気にできる レベル５でつぼみを咲かせられる 本来の大きさを超えた生長をさせることも、レベルなりの強さで可能 動物や虫、人間には効果がない |
| 強化 | 身体能力を強化する（何かひとつの能力のみ） 腕力を強化した場合、レベル１では実力の拮抗した腕相撲で辛勝できる程度 レベル５で荷物を３分の２の力で持ち上げられるようになる 持続時間はレベル×１０秒 持続時間を短くすることで強化率を上げることも可能 ただし、どれだけ強化しても３倍を超えることはない |
「ケイナ」 月の雫 〜 接続 〜
月の魔法は、異なる２つのものを繋ぎ合わせる力です。
この魔法で繋がれたものは、その効果が途切れるまで離すことは出来なくなります。
持続時間は、魔法使いが集中をやめるまでですが、星の魔法と組み合わせることで、集中を解いても接続を維持することができるようになります。
「繋ぐ」というイメージを魔法使いが描くことが出来れば、およそどのようなものでも繋ぐことが出来ます。
人の意識を繋ぐことで離れた場所の人物にメッセージを送る、ある場所とある場所を繋ぐことで瞬時の移動を可能にする、物体と物体を繋ぐことで構造物を強化する・・・応用は様々です。
しかし、明確なビジョンがなければ魔法の効果は揺らぎ、大きな事故へと発展するでしょう。
不測の事態にも動じない精神力を必要とします。
集中を続けない場合の持続時間はレベル×１秒が目安です。
持続時間を短くすることで魔法の効果を強めることも可能です。
| 遠話 | 離れた場所にメッセージを送る レベル１では２ｍ程度 レベル５だと５０ｍくらいまで届く |
| 接着 | ２種類の無機物を強力に繋ぐ 接着面はレベルに比例して大きくなる レベル１では鶏卵サイズ レベル５で人間大 |
| 転移 | 現在地と離れた場所を繋ぐ 物体を移動させたり自分の位置を移すことができる 他人を転移させるのは難易度が上がる 繋げられる距離は、「遠話」よりもやや短い(７割程度) |
「トゥリフ」 星の覆 〜 境界 〜
星々の力は、様々なものに境界線を引き、外と内とを区切ります。
区切られた境界の中は封じられ、あるいは保護され、外の変化から切り離されるのです。
星の魔法は、生物にかける場合は無機物にかけるよりも遥かに困難です。
それは星の魔法による断線にあらがう力が、魔法をかけられるものの持つ意志の強さに比例するからだと言われています。
実際に、無機物よりも植物、植物よりも動物、動物よりも人間、と、魔法のかかり具合が悪くなっていく傾向にあります。
しかし、正魔法使いが充分な力で星の魔法を発動させれば、人間を傷つけることも可能です。
また、レベルの低いうちは意図的に生き物を傷つけることはきわめて難しいですが、魔法の焦点がずれたために、そばにいた人物に怪我をさせた、などという例も報告されています。
このような危険をはらむ星の魔法の取り扱いには、厳重な注意が必要です。
効果範囲・精度・持続時間を合計したものが、その魔法使いの力の限界となります。
どれかを押さえることで他の要素を大きくできるのは、他の魔法同様です。
| 切断 | 物体を切断する 縦横高さの合計がレベル×２０ｃｍの立方体が最大サイズ （レベル２なら、縦１０ｃｍ横１０ｃｍ高さ２０ｃｍ、など） レベル１では紙や布など柔らかいもののみ レベル５で丸太程度の硬度のものを切断できる |
| 封鎖 | 魔法をかけた範囲を遮断する 内部は外からの影響を受けず、変化することなくその状態を保つ 縦横高さの合計がレベル×１０ｃｍの立方体が最大サイズ（「切断」よりも小さい） 持続時間は、レベル×１分が目安 |
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