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星のとびら こぼれ話 その３
のんびり続けてきた無駄話も、もう三回目。
最後になります今回は、「星のとびら」を作るにあたって影響を受けた小説や映像作品などについて語ってみたいと思います。
設定を借りてきた小説を主に挙げていますので、「影響を受けたどころかパクリかよ！」と思われる方もいるかもしれませんが、その点あらかじめご了承下さいませ。
◇設定つまみ食い
私の頭では世界をまったく１から作るのは難しく、あちこちの小説から興味を惹いた設定を引っ張ってきてはくっつけて、それらしい形を作るのが精一杯でした。
銀河連邦の根本は「星界」シリーズの「アーヴによる人類帝国」がお手本です。これはあまりにまんまなので、気付いた人もいるんじゃないでしょうか。もうちょっと変えておくべきだったかなと、少し反省している部分です。
「星界」シリーズからは、アーヴの空識覚のようなものも取り入れることを考えてました。宇宙軍に入ると機密チップを埋め込まれて、それを電子頭脳とリンクさせて戦闘機などを扱う、という設定でしたが、そこまでする必要があるかな？と考えて不採用に。今から考えると、やめておいてよかったです(笑)。
スペオペと言ったらこの作品は外せない、「銀河英雄伝説」からは、姓名のＥ式・Ｗ式の選択を。ヤン・ウェンリーへのオマージュ、というか単なるミーハー心ですね(笑)。ＰＣさんにＥ式の人がいて、報われた感じです。
〈ゲート〉。これは「スカーレットウィザード」という小説から。宇宙空間の特定の地点同士を結ぶ歪み、という部分も、ごく狭い領域なので見つけるのが大変、という部分も同じになってしまいました。わずかな違いと言えば、「安定値」ではなく「サイズ」が障害になる部分でしょうか。
バトルウイングは、「スターウォーズ」のＸウイングを連想するかもしれませんが、どちらかというと現行の戦闘機のイメージでした。
・・・大して違わないですかね(汗)。
基地がわりと近くにあったので、学生時代などは体育の時間に校庭にいると頭上を戦闘機がミサイル積んだ腹を見せて横切ったりしていたのを思い出しつつ書いてました。あとは航空祭のビデオや写真も、いくつか見たりしましたね〜。
バトルアームは「ガンダム」ではなく、小説「ランブル・フィッシュ」に出てくるレイドフレームが主な元ネタです。重火器を使わずに、肉弾戦をするロボットを出したかったんですよね。調教士、という言葉もこの小説からです。言い得て妙だな〜と。
機種ごとに名前をつけたのは、「メックウォリアー」というＴＲＰＧのリプレイの影響が大きいです。別に、違う作品（それこそガンダムとか）でも型番以外に通称はありますけど、メックウォリアーでは通称が機体性能を連想させるものだったりするのが、ちょっと格好良かったので真似してみたくて(^^;
メックウォリアーのリプレイからは、昼行灯隊長サモンジ中尉がエイドリアンのモデルになったりもしました。サモンジ隊長は、もっと老成した若年寄タイプでしたし、なによりエイドリアンと違って仕事はちゃんとしてましたけど(苦笑)。
異色のＮＰＣとなったバル。彼のモデルは「ガルディーン」・・・と言ってわかる人は一体何人いるのやら。歌って踊れる戦闘用ロボ、という個性的なキャラクターで、記憶喪失ネタもここからだった気がします。
人間よりも人間らしく、を合言葉に喜怒哀楽を誇張していった結果、いままで出したことのないタイプのキャラになっていきました。型破りの人工知能、という点では「スカーレットウィザード」に出てくるダイアナもモデルの１人（？）ですが、原点は「巨人三部作」と言われるシリーズのゾラックを初めとする、Ｊ．Ｐ．ホーガンの作品に出てくるコンピューターたちにあります。彼の書くような魅力的な電子知性体を書きたいと思ったのが、「星のとびら」を始める動機のひとつにあったのですが、気付けばなぜかあんなことに(笑)。
電子頭脳がらみでは、電脳調律士という職業は小説「トリニティブラッド」に出てきた言葉で、響きと字面が気に入って使ってみたくなり、取り入れました。この小説からは、神父アベル（へたれＶｅｒ）の喋り方がバルのベースになったりもしてます。
これらの小説は私のお気に入りの作品でもあります。
普通に物語として面白いものばかりですので、読んで気に入っていただけたらとても嬉しいです。
以下にデータを付けておきますので、参考にどうぞ。
| 作品名 | 著者名 | 出版社、レーベル名 |
|---|
星界の紋章１〜３
星界の戦旗１〜４（以下続刊）
星界の断章（短編集）１・２ | 森岡浩之 | ハヤカワ文庫 |
銀河英雄伝説１〜１０
外伝１〜４ | 田中芳樹 | 徳間文庫、他 |
スカーレットウィザード１〜５
外伝 | 茅田砂胡 | 中央公論新社Ｃノベルズファンタジア |
ランブルフィッシュ１〜１０
あんぷらぐど（短編集） | 三雲岳斗 | 角川スニーカー文庫 |
| メックウォリアー・リプレイ１〜４ | 黒田和人／グループＳＮＥ | 富士見ドラゴンブック ＊おそらく絶版＊ |
未来放浪ガルディーン１〜３
外伝１・２ | 火浦巧 | 角川スニーカー文庫 ＊未完 絶版の可能性大＊ |
星を継ぐもの
ガニメデの優しい巨人
巨人たちの星 | Ｊ．Ｐ．ホーガン | 創元ＳＦ文庫 |
トリニティ・ブラッド長編１〜６
短編１〜６ | 吉田直 | 角川スニーカー文庫 ＊著者が亡くなった為、未完です＊ |
３ヶ月続けてきた裏話も、これでおしまいです。
次はぜひ、新しい物語でお会いしましょう！
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