学園案内

 　　ここでは、パートナーである〈フェロウ〉について説明します
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魔法使いの傍らに常に寄り添う魔力の導き手、それが〈フェロウ〉です。
竜人にのみ許されていると思われていた魔法の力を人間が使うためには、彼らの協力が不可欠になります。１人の魔法使いに、１体の〈フェロウ〉。その関係の間には、たとえ同じ魔法使い同士であっても、他人が入り込むことは出来ません。
『揺籃の儀』で卵に認められ、それを見事に孵すことが出来たものは、生涯のパートナーを得たとも言えるでしょう。


誕生

誕生



ライン


〈フェロウ〉は、人によく似た姿をしています。動く人形、と表現するのが最もわかりやすいため、一般にはそういった認識がされています。
体長は１５〜３０ｃｍほどで、体格は様々です。髪や瞳には、人間には出ない色合いが現れることもあります。それは主にパートナーである魔法使いのイメージに因ります。
肌は木や陶器など硬さのある無機物の質感で、布や綿など柔らかい素材のものは見られません。そのため、支えがなくとも立つことの出来る強度を備えています。自我を持ち、ぎこちないながら自律して動くことも可能ですが、生物ではないため睡眠や食事は不要です。傷ついても血は流れず、体温もありません。
生まれたときから服を着ており、そこにも魔法使いのイメージの影響が大きく表れます。着替えることは出来ますが、普段とは違う服装をすることを好まないものが多いようです。それは卵から孵った時の状態が、最も魔法の力が安定するからだと言われています。
服を脱がせても、身体的には性別を決定する特徴はありません。しかし人格や体形には性差が見られます。能力的に特に違いはないようです。


◇　それぞれの絆のあり方

魔法使いとの関係は、大きく以下の３つに分けられます。

『友人』
まずは、互いを同等とした関係を結ぶもの。対等の友人のような関係が多いようです。
この関係にある〈フェロウ〉は自我が強く、判断力に優れますが、互いの信頼関係が弱いうちは魔法の発動に不安定さが見られます。これは〈フェロウ〉の強い自我が、魔法使いの意志の受け取りを妨げるせいだとされています。しかし、息が合うようになれば、指示を待たずに魔法を組み立てられる可能性もあるでしょう。
得意とする天体の魔法以外の成長はやや鈍いようです。他の魔法は余技程度に抑えておくことを勧めます。

『従者』
次に、〈フェロウ〉が魔法使いを主として認め、そのサポートに徹するもの。従者や部下といった上下関係が結ばれます。
このタイプの〈フェロウ〉は、魔法使いの要求には素早く正確に応えますが、それ以外の人物のためになることに自発的に動くことはほとんどありません。良くも悪くも、自分の魔法使いが最優先です。
他の関係に比べて得意な魔法が突出することなく、どの天体の魔法もある程度は扱うことができるものが多いようです。しかし、全てを育てようとすれば、そのぶん時間がかかりますので注意が必要です。

『弟妹』
最後のひとつは、〈フェロウ〉が魔法使いの庇護下にあるものです。歳の離れた弟や妹であるかのように、魔法使いに守られる存在です。
こういった関係にある〈フェロウ〉は自我が未成熟なことが多く、精神的にも魔法使いに依存しています。自分の魔法使いを無条件に慕い、甘えますが、幼子に特有のわがままも良く見られるため、それを受け止める度量が魔法使いには求められます。
〈フェロウ〉の感情が魔法の効果を左右するので精度は不安定ですが、感情の爆発を上手く合わせられれば、能力以上の大きな効果を上げることが出来るかもしれません。
魔法は、得意なもの以外の成長は期待できません。得意分野を伸ばしていくべきでしょう。

どのような関係にせよ、大切なのは互いを理解し、信頼する心です。
魔法の力は、２人の絆が強ければ強いほど広く、大きく世界に作用していくのです。


◇　眠る卵たち

〈フェロウ〉は、竜人の生み出す卵から産まれます。
見た目と役割から「卵」と称されますが、それは生物的なものではなく、魔力の結晶のようなものと考えていいでしょう。

竜人は、１０年に１度ほどの間隔で、自身の魔力を凝縮して取り出し、〈フェロウ〉の卵を形作ります。現在では、プリズム・オリジン魔法学園においてのみ魔法使いの育成が行われているため、全ての卵が学園へと預けられます。
竜人は学園関係者が最も多いですが、市井で私塾を開いたり人里離れた場所で隠棲したりしている竜人もいます。彼らは近くに来た学園の巡回教師に卵を託して持ち帰ってもらうようです。

卵は『ゆりかごの塔』へ収められ、パートナーとなる人間を待ちます。
それぞれの卵と波長の合う人間はただ１人しかいないと言われ、違う人物の手では決して孵ることがありません。そのため、何年もパートナーが現れるのを待ち続ける卵もいるのです。最長で４８年という記録が残されています。



竜人の魔力が凝った卵から生まれる、〈フェロウ〉。彼らの存在には、未だ多くの謎があります。
しかし、魔法使いの唯一無二の半身であるという事実に変わりはないのです。

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